マツダ技報2025
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や3305. モーター適合への応用Fig. 10Fig. 11より,この評価は束条件,点の計測で安定条件を満たしたため制御適合を完了と判断し,従来比を確認した。また,この開発は日々のメンテナンスや監視を除いて本システムに人手を介入せずに自動での計測適合評価を実現できた。 なお,得られた最適点の妥当性を判断する上で多因子での最適化効果を完全に把握することは困難であるため,最適点及び最適点から各入力変数方向に探索する検証をSCV Swirl Control Valve実施した。で高トルクとなるセット点があるものの,制約条件である燃焼安定性を加味すると本システムでの結果が良好であることが分かり,いずれの結果においても高速計測適合技術にて導出した最適点が最良であることが確認できFig. 12Fig. 13た()。Fig. 12Validation Results of the Optimal PointFig. 13Validation Results under Different SCV 電動車用モーターにおいて,エネルギー効率の最大化と高精度なトルク制御を実現する電流ベクトルの最適化は重要な開発要素である。モーターの各運転条件の駆動電流を最小化する電流ベクトルの最適化問題に対して,ICEの高速適合技術を応用しシステムを開発した。ここ用システムからの変更点に着目して説明すICEでは主にる。5.1 適合手法 永久磁石同期モーター(流れる三相交流電流を個別に制御するのではなく,ローターの回転位相に同期した回転座標系上で三相分の電流ベクトルを合成したIa300点の計測で収%の開発期間の削減効果59.7に関しては他条件(),――マツダ技報No.41(2025)       PMSM)はステータコイルにとその位相βを直流量として制御MTPA)に)。GP)は柔軟な表現力モデルでは学習データするのが一般的である。本適合ではモーター軸トルクにIa対して基づく最適化を実装した(5.2 モデル化ICEで開発したガウス過程回帰(が特徴の一つであるが,同期モーターのトルク特性は一般に既知であり,物理モデルを用いてほぼ正確に予測することができる。そこで,トルク特性を表す物理式を組み込み,モデルの表現力を同期モーターが取り得るトルク特性の範囲に制限することで,少ない学習データでもGP効率的にモデル精度を高められるようにしたカスタムモデルを開発した。カスタムの少ない領域でも運転条件が異なる近傍学習データを基Iaに同期モーター特有の電流Sなり,位相βに依存する可能になった(Fig. 15 また,本モデルの特徴の一つとしてローター磁石温度を説明変数に採用している。これにより,これまでの適合作業ではローター温度が一定の管理水準に入るよう適宜ソーク時間を置く必要があったが,温度特性を含めてモデル化することで連続的なデータ計測による時間短縮Fig. とモデル精度向上を両立することが可能になった(16)。21を最小にする最大トルク/電流法(Fig. 14Fig. 14Optimum Point of PMSMGPに比例してトルクが大きく字状の特性を表現することがFig. 15)。Comparison of General GP Model and Custom GP Model

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