マツダ技報2025

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*3松岡　光子Teruko Matsuoka*2丸茂　夏洋Natsuhiro Marumo*1木村　美昭Yoshiaki Kimura（が減少することが予測されている特集：06DX/AIの活用1. はじめに働きやすい製造環境構築に向けた作業負荷評価技術の開発Development of Ergonomics Evaluation Technology for the Construction of a Comfortable Working Environment要　約Key wordsmanufacture, Image recognition system, Fatigue/burden, AI, ：・,3～――マツダ技報No.41（2025）　 が高まり，作業者の高度なスキルや練度に依存している部分が多くなってきた。工程の自動化が進んでいるのは，人手の対応が困難な重量物搭載工程や接着剤塗布工程など一部の工程に限定されている。そのため，組立作業領域は，人が中心の労働集約的な工程となっている。　そうした背景からマツダは，人が無理なく働き続けらAI（人工れる製造環境の構築を目指している。このような製造環境を実現するためには，生産工程での作業負荷を正しく把握し，作業中の人体の姿勢を定量的に把握することが不可欠となる。　その取り組みとして，て作業中の姿勢を定量的に測定し負荷を評価するシステム開発した。また，測定した作業内容と負荷評価の結果を一元管理して共有することを目的としたサーバーシステムの構築に取り組んだ。40を用いて作業姿勢をデータ化し，エルゴノミクス（人間工学）に基づいて身体的作業AI20年比で約1）。そうした背景を受％の労働人口Internet of ThingsIoT （），姿勢の状態から作業　近年の少子高齢化への対応は，マツダにおいても重要な課題の一つである。無理なく安全に働ける製造環境整備をねらいとし，工程の作業負荷を定量的かつ効率的に評価・管理する仕組みを構築する。そのために，作業者の骨格を推定する負荷を自動的に評価する作業負荷評価システムを開発した。また生産工程の課題を共有し，問題の未然防止を実施するため，作業姿勢データと負荷評価の結果を一元管理するネットワークシステムを構築した。これらのシステムによって，安全で働きやすい製造環境実現の土台作りを行った。AbstractThe recent aging society and declining birthrate is one of the most important issues for Mazda. Aiming to develop a manufacturing environment where workers can work safely and without strain, we have established a structure to evaluate and manage workloads correctly and efficiently. For this purpose, we used AI to estimate the worker’s skeletal structure and to convert his/her working posture into data, we developed a workload evaluation system that automatically evaluates physical workload based on ergonomics. In addition, to share issues in the production process and prevent problems before they occur, a network system was established to centrally manage work posture data and load evaluation results. These systems laid the foundation for realizing a safe and easy-to-work-in manufacturing environment.Human engineering, ProductionPose estimation, Ergonomics evaluation　近年，少子高齢化により，国内の労働人口は年々減少2020 2040しており，年にはけ，作業環境の改善対応は重要な課題の一つである。マツダでは，ロボットや知能）などの技術を取り入れることで，組み立て作業などに対して，省人化対策や効率改善といった負荷軽減に取り組んでいる。　そうした中で，マツダで多く採用している多品種混流生産では，さまざまなボディータイプや車格・仕様・装備の違いに加え，近年の先進安全装備や，お客様のニーズに応じたさまざまな機能に応えるため装着する部品種類を増やしている。そのため作業者の多能工化の必要性*1車両技術部Painting, Trim & Final Assembly Engineering Dept.による骨格推定技術を活用しAI