ヤ2変,621化3453(2()特をに――マツダ技報No.41(2025) Fig. 2Generalized Test Mode for Ride Comfort3.3 サスペンション,タイヤ特性の設計パラメーターMBDで機能配分をするためには,操縦安定性や乗心地性能を構成する因子をパラメトリックに表現する必要がある。しかし,サスペンションやタイヤ特性の多くは非線形をもっており,非線形特性そのものを機能配分のプロセスに織り込むことは難しい。そこで,非線形特性を表現できる数式モデルを考案し,設計パラメーター化することで機能配分プロセスに織り込めるようにした。例として,ショックアブソーバーのピストン速度と減衰力Fig. 3特性の数式モデルをどによるコーナリングパワー(以下,Fig. 4に示す。デルを1)ショックアブソーバー 操縦安定性や乗心地性能が対象とするショックアブソーバーの使用域は,小さな力を出すオリフィス域,オリフィス域を超える入力ではバルブが開弁し大きな力を出すバルブ領域に大別できる。各領域の減衰力はおよそ線形に近似できると仮定し,各領域の切り替わり速度と合わせることで,ショックアブソーバー減衰力特性を表現し,機能配分を可能とした。また,机上検討のためにモデルパラメーターもこれらの数式に対応させた。Fig. 3Design Parameters of Shock AbsorbersCPモデル 車両の旋回性能は,タイヤの接地荷重に対する性やサスペンションやステアリングなどの特性からなる前輪と後輪の等価CPCPタイヤ特性はタイヤサイズと一定の相関があるため,レイアウト整合を取る開発初期段階から要件を提示し機械性能を確保する必要がある。そこで,目標とする旋回性能に対して必要なタイヤCPと,タイCP増幅率のESTECO S.p.A社製に実装されCPを確保するために,MBDFig. 51Gノミナル接地荷重におけるCPの増減などを統合したFig. 4Design Parameters of Tire CPで開発した技術を使って機械性能を確保すると各モデルとの連携環境を構築した。こステップである。)の結果を用いて,modeFRONTIER)の最適化問題を数千~数万回の計算によって)の結果を企画や設計部門に説明し,「制約条に後述する,実車作り込み段階でも3.5Excelをインタフェースとした実車作り込,タイヤやサスペンションなCP)特性の数式モピストン速度vs減衰力モデル特性によって評価できる。中でもCPのレベル感を理解しやすくするため,CPの接地荷重に対する変化やサスペンション特性によるタイヤ数からなる単純化した数式で表現した。このモデルにより開発初期段階でのタイヤの性能を確保する機能配分を可能とした。3.4 機能配分計算環境の構築3.23.3ために,網羅的な計算が可能な環境を構築する。そこで,最適化計算ソフトであるmodeFRONTIERの連携環境を用いた開発での基本的な機能配分プロセスは以下の1 ()物理モデルを使い,数百回のパラメータースタディを行う。 ()(ている応答曲面法により,物理モデルに比べ計算速度が速いサロゲートモデル(物理モデルを近似したモデル)を作成する。 ()サロゲートモデルを使った最適化問題を設定する。具体的には,目的関数,制約条件,設計パラメーターを定義する。 ()(近似的に解く。この計算が機能配分に当たる。 ()機能配分の結果,全ての性能指標を満足できない場合は,どの制約条件がネックになっているかを示す。また,どこまで制約条件を緩和すれば性能指標を満足できるかを示す。つまり,理論限界とその突破手段の提示を行う。56 ()(件の緩和」または「性能目標の修正」について議論し,対策方針を決める。例えば,高い企画部門とタイヤ幅を拡大のためのレイアウト全体の見直しを議論することが挙げられる。 また,CP活用するため,み支援ツールを作成する環境を構築した。以上,サロゲートモデルの作成から活用までのプロセスを示す。52
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