マツダ技報2025
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のに3(2とに3(1(――マツダ技報No.41(2025)     )3.34. 適用事例ModelMBDにより匠をサポートするこMBD形式で出力し,実車作り込み現場.xlsm形式であるため,Fig. 5Creation and Utilization Process of Surrogate 3.5 匠による実車作り込み段階での3.4MBD技術は実車作り込み前に機械性能を確保することをねらったものであるが,応用することで実車作り込み段階においてもとができると考えた。実車作り込み前に作成したサロゲートモデルを.xlsmで匠が使いやすいようなデザインや機能(例えば,作り込みのベースとなるショックアブソーバー特性をテーブル形式で入力すると,自動でパラメトリック化する)なFig. どを追加した実車作り込み支援ツールを開発した(6)。このツールにより,匠が自身の感覚と定量値を比較しながら作り込みの方向性の判断や,実車作り込みの進捗を第者に分かりやすく示すことを目指している。なお,このツールは,サロゲートモデル化されているため即座に計算結果を確認でき,かつ特別な計算環境の構築が不要であり,実車作り込み現場への適用を意図している。Fig. 6Support Tool for Real World Development4.1 乗心地開発への適用)概要 乗心地性能は,車両諸元・重量・タイヤ・サスペンMetrics AFig. 7を活用する。実車でのションハードポイント・ブッシュ・コイルスプリング・ショックアブソーバー等,さまざまなシステムが影響する。このうち,ショックアブソーバーは乗心地性能上の問題を解決するための「魔法の道具」ととらえられることが多い。その理由は,ショックアブソーバーの内部構造の変更(以下,作り込み)により,レイアウトとコストの影響なしに特性調整ができるからである。しかし実際には,乗心地性能の中だけでもショックアブソーバーの減衰力を上げると向上する性能と悪化する性能が混在するため,ショックアブソーバーの作り込みだけでは乗心地性能全体の目標達成はできない。そこで,機能配分MBDり込みにおける“理論限界”を示した。これにより,設活用計などの関連部門とレイアウトやコストの調整を含めた他システムでの対策検討を加速させ,機械性能を確保した。更に機能配分だけでなく,実車でのショックアブMBDソーバー作り込みの際も決定につなげる。2MBDで示したショックアブソーバーのパラメーターをMetrics 使い,背反するB)を目的関数として機能配分を実施した結果を示す。ベースのコイルスプリングでは理論限界においても性能目標達成できないが,コイルスプリングのバネ定数を低減させることで,理論限界が高まり目標達成できる解が存在することを示すことができた。この検討結果により,コイルスプリングの設計変更の必要性を関連部門と共有することができた。これにより,設計変更に向けたコストや生産性要件の調整をスムーズに進めることができ,ねらいの性能目標を達成できた。Fig. 7)実車作り込み段階の 机上で機械性能を確保した試作車を基に,匠により感性領域を作り込む段階にもショックアブソーバーによる作り込みでは,匠による試作車の官能評価を基に,減衰力特性の調整方向が決められる。その際にによる性能指標の変化量を即座に見積り,その結果を参考にすることで,実車評価する仕様を絞り込むことがで53を活用することで,ショックアブソーバーの作を活用し,効率的な仕様活用による機能配分つの乗心地性能(Result of Optimization CalculationMBD活用MBD3.5で述べたツールにより,減衰力調整

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