2点の212((),())()121――マツダ技報No.41(2025) )。これら積み上げてきた理論に(した5. 効果おわりにFig. 11Solution Area of Tire CP for All Metrics 今回の取り組みにより,コイルスプリング,ダンパーやタイヤといったシステムについて,機械性能の範囲において最適な仕様を左バンクで導出し,なぜ最適かを関連部門に説明できるようにした。その結果,左バンクの中で機械性能に関する課題解決ができるようになり,右バンクでは感性領域の作り込みに注力できるようになった。車種開発における定量的な効果を例に挙げると,今まで常態化していた性能改善を目的とした右バンクでのシステム作り込みの手戻りや,それに伴う制御システムの作り込みやレコードキープとしての車両特性計測のやり直しなどが減少し,その結果工数を削減できた。 また,今までの仕様決定は匠がリードしてきたが,これからは基本性能領域の開発はるようになった。その結果,安定性と乗心地の仕様決定への貢献を明確に実感できた」といったコメントが得られた。また匠からは,「今までCAEは信じていなかったが,うまく使えば役立つことが分かった」,「基本性能が机上で担保できれば,右バンクでは感性領域の作り込みに注力できる」といったコメントが得られた。まさに,した,独自のMBDが実現しつつあるといえる。6. MBD化が容易ではなかった操縦安定性・乗心地領域において,“ひと”と“機械”を切り分けた上で,“機械”に注力してに取り組むことにより,操縦安定性・MBD乗心地の量産開発の現場にシステムの仕様を機械性能に基づいて決めることができるようになり,手戻り削減につなげることができた。 このようなプロセスが実現できた重要なポイントは点ある。点目は,先人たちが積み上げてきた理論があったことである。例えば,操縦安定性の解析技術で言えば,マツダで使っている解析ソフトの一つであるADAMSなどが一般化するずっと前の11車種あたり担当者がリードできCAECAE担当者にからは「操縦と匠それぞれの強みを活かCAEを適用した。その結果,MBD1970modeFRONTIER担当は操縦安定性・はじめに」で述べた様のIDAJ日本p.100山本紀輝DEMCOような最適化ソフトを組み合わせることで,厳しい制約条件の中で最適な仕様提案ができるようになった。目は,マツダが長年の「走る歓び」を追求する過程で,匠はその技量の向上と伝承に,乗心地の定量化に挑戦し続けてきたことである。これらの挑戦によって,機械特性で多くの操縦安定性・乗心地を表現できることが分かった。つまり,これまで脈々と築いてきた資産の融合により,「「機械の重要性」に気付くことができた。 なお,本プロセスを実現するにあたり,(株)多大な技術サポートをいただいた。関係諸氏にお礼を申し上げる。横畑英明ほか:MBDした平井敏彦ほか:マツダ製ライトウェイトスポーツカーの開発物語,2003■著 者■%の開発大久保年代から55参考文献と呼ばれる独自と呼ぶ自社製プログラムが存在CAD1.SKYACTIV エンジンの性能開発に活用2013pp.54-59No.31,マツダ技報,ユーノスロードスター英崇長谷川貴司
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