マツダ技報2025
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W95%W20% (2)aationdepthm2)(1004. 防曇窓の効果試算モデル3.2 吸水性防曇材料調整方法 メタクリロイル基をもったシリコーン樹脂(無機成分),親水基をもったアクリレート(有機成分),光重合開始剤,溶剤,表面調整剤を混合した光硬化性塗料を調整した。本塗料を基材(ガラスまたはアクリル樹脂)に,10 バーコーターまたはスピンコーターで塗布し,分間乾燥した。その後,積算露光量500mW/cm2のメタルハライドランプで硬化させ,基材表面に吸水膜が形成された防曇材料を得た。3.3 開発した防曇材料の評価結果 開発した防曇材料の吸水性能を定量的に測定するために,基材上に形成しない自立膜を作製して吸水率を測定RH30した。吸水率は,の重量変化を測定し,式(料の吸水率は%であり,目標の吸水率17wt実現した。()。以上の結果から,空気中の水分をTable 1材料中に吸収して,防曇可能であることを明らかにした。Wateruptakewt(%)30 9530 20Table 1Antifogging and Mechanical Properties of the Developed Material and a PVA FilmWater uptake ][wtSampleDeveloped material17PVA27 比較として,汎用的な親水性ポリマーであるPVA定した。の吸水率は材料より,吸水率が高い結果となった。造を形成しておらず,吸水膨潤が容易に起こるため,吸水率が高いと考える。しかし,だけで表面に微小な傷が付いてしまうため,実用的な耐久性が低い。 そこで,耐傷付き性を定量評価するために,ガラス基10板上に約の膜厚で作製した防曇材料について,ナノスクラッチ試験を実施した(錐形状の圧子を用いてサンプルに荷重をかけながらスクラッチする。そして,スクラッチ前(post-scratch)の形状とスクラッチ中(の変形を記録する。得られたプロファイルから,傷付き2難さの指標として傷抵抗値(で算出した。Scratch Profiles of the Developed Material()testloadN25981(plasticdeform()testloadN102contactareamPVA膜と比較して,開発した防曇材料のほうが,3Table 1倍高かった(93PVA41%,%であった。)Depthintosurfaceatpostscratchnm)ssurfaceatrampedscratchnmDepthinto外気導入制御による窓表面への結Simulink®)。604000mJ/cm2RH20℃大気圧下から)で算出した。開発した防曇材12wt100 RH1-2時間放置後の自立膜重量RH1-2時間放置後の自立膜重量Scratch Resistance [–]Recovery ]rate [1.40.527wt%であり,開発した防曇は,架橋構PVAPVAは柔らかい布で擦るFig. 3)。本試験は,三角pre-scratchramped-scratchScratch resistanceRHRH℃でで硬化Fig. 395%%1WW%%1()::℃℃%%にに%%9.9()2)3:((--3)(/mμ1())――マツダ技報No.41(2025)  Scratchresistance%以上をloglog 結果,傷抵抗値が約クラッチの変形に対する回復率を算出すると,開発した防曇材料:Recoveryrate193 以上のナノスクラッチ試験の結果により,開発した防曇材料はシリコーン樹脂骨格の特徴である柔軟性によっ41て,スクラッチに対する回復が可能になったため,高い耐傷付き性を有していると考える。PVAを測4.1 結露量算出モデル 防曇窓は,外気導入走行を短縮することで空調エネルギーを削減できる。そこで,開発した防曇材料を塗工した防曇窓による空調エネルギー削減量を定量的に試算するために,内気循環露量変化が算出可能なモデルをデルの特徴を次に示す。 【】本モデルは,①車内の水蒸気量:車内の水蒸気の出入り(乗員の呼吸,換気量等)を考慮して水蒸気量を)と後算出,②窓表面温度:熱貫流の式に基づいて環境条件から表面温度を算出,③上記①②から算出したパラメーターで窓表面に結露する量を算出,というフローで計算)を式(する(Fig. 4709520RH%RHW20RH10)。また,式()でスで構築した。モ

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