マツダ技報2025
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2の(2――マツダ技報No.41(2025)        2.34in1ユニットの小型化 クラッシュエリアの要件に加え,サービス性や組み付け性の要件を満足するために,例えば以下のような小型化の工夫を織り込んだ。・制御基板を分割しすきまなく配置・信号品質のロバスト性を確保する対策を織り込んだ上で小さいすきまに配策できるフラットハーネスを採用・熱伝導体を活用し発熱部品を集積・パワーモジュール( この中から,冷却通路の小型化の事例を紹介する。PM 高電圧バッテリーから供給される直流電圧を,高速スイッチングによりモーター,ジェネレーターを駆動する交流電圧に変換するが,その際にその熱は,筐体に設けられた冷却水通路を通して冷却水に放熱される。冷却水通路はアルミ合金の筐体に形成され,そこにアルミ合金製のカバーで蓋をする構造としているが,特に高さ方向の制約が厳しく,蓋のシールや取り付けボルトを設置する空間が確保できなかった。そこで,摩擦攪拌接合(Fig. 4FSWFSW)。とは接合部を摩擦熱で軟化させるとともに,工具の押し付け力及び回転力により接合部周辺を塑性流動させることで接合させる技術である。具体的には,Fig. 5に示すように,こに先端に突起のある円筒状の工具を押し付け,高速で回転させることで接合している。Fig. 4Fig. 5FSW Conceptual Diagram and Weld FormFig. 6が熱収縮の過程で変形する。高電圧部品を格納する本筐体は,絶縁距離の確保や,冷却水侵入を防止するシール性の確保が重要であり,以下に示す変形を抑制した。Step1 実測することで筐体の受熱量を特定し,カニズムに則って変形量を予測した(ルを用いて形状と製造条件を造り込むことで,変形量を抑制した。PMFig. 6Fig. 7Step 2 を追加した。矯正荷重を印加する場所,荷重を受ける場所を最適化し,複数個所に分散して荷重を印加することで機能目標を満足する変形量に抑えた(76)冷却通路の小型化PMが発熱する。PM)という接合技術を適用したつのアルミ部材を突き合わせ,そArea of FSWに示すように,FSW時の入熱で熱膨張した筐体FSW変形の抑制:時の表面温度及び内部温度をDeformation Mechanism by FSWDeformation Predicted by Modeling矯正:更なる変形量の縮小に向けて,矯正工程つのステップで熱Fig. 6の変形メ)。そのモデFig. 7Fig. 8)。

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