マツダ技報2025
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の――マツダ技報No.41(2025)     3. Fig. 6Improved Prediction Accuracy of Motor Model3.2 インバーター電流制御モデル 電磁起振力を精度よく予測するためには,モーターに入力される三相交流電流を机上で予測できる状態にする必要がある。電流だけでなく熱等の多目的制御も視野に入れ,モジュールの拡張性が高いンバーター電流制御モデルを構築した。モデル構成としては,モーターの回転角と電流を読み取り,所望の回転数,及びトルクからモーターに流すべき電流指令値と直流電源でそれを再現するためのパルス幅変調(号を計算する値を受け取り,半導体素子のスイッチングにより三相交流に変換された電流をモーターに流すからなる。なお,本モデルでは汎用的なインバーターを想定しており,保護回路等の個々のインバーターで異なる要素については実装していない。82Fig. 4Motor Noise Bench Test Equipment モーターノイズ予測モデルとは,モーター本体の磁気特性を再現したモーター磁気回路モデルと,そのモーターへ通電するインバーター電流制御モデルで構成され,各系を強連成した状態で解析が可能なモデルである。 モーター磁気回路モデル3.1に示すような,対象モーターの磁気特性を考慮Fig. 5FEMした有限要素法(じて発生する磁束やトルクを算出する。また,偏心などの寸法公差によるエアギャップの偏りを考慮するため,モーター全周を表現したフルモデルでモデル化を行い,空間的な磁束の偏りも再現可能とした。ローター・ステーター間では作用・反作用が働き,双方に生じる周方向成分は,それに準じた値を取る。そのため,ローター・ステーター間に発生するトルクの比較でモデル精度を検証した。偏心などの物性の偏りがない条件で,ローター・ステーター間の比較を行った結果,周期ごとのトルクが安定性や作用・反作用とは離れた領域が散見された。これを改善するために,モデルの対称性やエアギャップ間のメッシュ解像度を時間分解能に合わせて設定することで安定したトルク波形を得られることを確認Fig. 6した。結果をへ示す。 なお,解析ソフトは(株)Fig. 5予測モデル概要)モデルを作成し,入力電流に応JSOLJMAGを用いた。Motor FEM Modelの制御部と,制御部からの電流指令Fig. 7Fig. 7Control Diagram of Inverterを用いてイSimscape)信PWMの主回路部Fig. 8

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