←←←← Table 1に新SKYACTIVG 2.5T(New, 2020, US)と従来エンジン(Previous, 2016, US)の主要諸元を示す。またFig. 2に新エンジンのシステム図を示す。新エンジンでは,これまで利用してきた空冷式インタークーラーを用いず,省スペース性に優れたマニホールド内蔵型の水冷式インタークーラーを採用した。インタークーラーはコアバイパス流量の最小化やコア部へのガス当たり性最適化を織り込みつつ,冷却系としても水冷式インタークーラー専用のサブ回路を組むなど,冷却効率の最大化を狙った。これら対応によりCセグメント車に搭載可能なコンパクト化とねらいとする動力性能の両立を実現した。加えてコンプレッサ後の吸気系容積の大幅低減を達成し,過給レスポンスの大幅な改善を実現した。―13―T-MapSensorIntakeSystemwithImprovedEGRDistributionHigh Pressure EGRSystem DynamicPressureTurboETBWaterPumpLow-temperatureRadiatorSystemSensor-WaterTemp.Water-cooledIntercoolerAir Cleaner*1: Regular gasoline *2: Premium gasolineFig. 2 System Diagram at Skyactiv-G 2.5TFig. 3 Vision for Evolution of Internal Combustion EngineEngineEngine TypeDisplacementBore×StrokeCompression ratioTurbocharger SystemIntercoolerETB L/OIntake Volume After CompressorMax PowerMax TorqueEGRSKYACTIVG 2.5T(Previous: US, 2016)In-line42488cm389.0mm×100.0mm10.5Dynamic pressure turbo systemAir-cooledafter Inter-cooler10.8L169kW (230PS)*1/5000rpm186kW (253PS)*2/5000rpm420Nm/2000rpmSKYACTIVG 2.5T(New: US, 2020)In-line4Water-cooledbefore Inter-cooler6.6L420Nm*1/2000rpm434Nm*2/2500rpmExhaustgasFresh airFig. 1 SKYACTIVG 2.5TTable 1 Dimension and Specification2. エンジン開発コンセプト←など新世代Cセグメント車に搭載するガソリンターボエンジン 「SKYACTIVG 2.5T」 の技術紹介を行う(Fig. 1)。 新世代Cセグメント車に高性能の過給エンジンを搭載して,意のままの走りを提供し,「お客様の心にゆとりを与え,生活の質を高める」 ことを目指した。 これにはエンジン性能として,①レスポンスとコントロール性の両立,②力強いトルクの実現が重要となる。前者は,現行エンジンに対してコンプレッサ後の吸気系容積を低減しつつ,制御ロジックの最適化を行い,ターボラグを克服して実現を図る。後者は,新世代Cセグメントプラットフォームがもつ優れた衝突安全性能との両立を踏まえ,現行エンジンがもつハイパフォーマンスの維持をねらいとした。エンジンの大幅なコンパクト化が課題となるが,省スペース性に優れたマニホールド内蔵型の水冷インタークーラーを高い冷却効率で利用することで高性能とコンパクト化の両立を実現した。 ―本エンジンにより提供する特性― ・洗練された「走りのリズムと余裕」 ・余裕が生み出す「心のゆとり」 ・意のままの踏み込みに応える「躍動感」3. エンジン諸元とシステム またマツダが取り組む内燃機関の熱効率改善に向けた取り組みに沿って,Cooled EGRの利用領域拡張と排気SVT作動角の拡大,ダイナミック・プレッシャー・ターボのエゼクタバルブ開度セットの最適化を行い,ポンピング損失と比熱比の更なる改善を達成した(Fig. 3)。
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