マツダ技報 2020 No.37
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]]i[ ycneuqerF gnvirDmN[ euqroT]SP[ rewoP]).sba(aPk[ tsooB(1)バイパス量最小化 マニホールド内蔵型はコア周囲にバイパス流路が形成され,一部高温ガスがコアを通らずに冷却されないままコア下流側へ通過し,冷却効率低下を引き起こす。今回,コアの周囲3か所にバイパスシールを設置して,冷却効率改善を行った。インタークーラー外周部の凹凸面ではなく,ケース側の平滑面でシールできるようインタークーラー側へのシール取り付けとした。また組付性を阻害しないようにシール形状は,先端部を調整したリップタイプとし,逆流にも対応できるようY字型の断面を採用した。結果,本バイパスシール設置によりシールなし仕様に対して9ptの冷却効率改善が確認できた(Fig. 8, 9)。―14―450400350300250500150025004500Engine Speed [rpm]550065003500Time [sec]PremiumRegularMax. Power230PS@5000rpm(Regular)253PS@5000rpm(Premium)90% BoostPrevious 30% Improvement430400370340310280250220190160130335315295]hWk/275g[ CFSB255235215100NewSKYACTIV-G2.5T300500700DrivingFrequencyBMEP [kPa]Previous 2.3L T/CPreviousSKYACTIV2.5T1500rpm5.04.0%3.02.01.00.090011004.1 出力性能 新SKYACTIVG 2.5Tでは従来の空冷インタークーラー同等の冷却性能を小型の水冷インタークーラーで実現し,吸気抵抗低減やメインサイレンサの排圧低減を行うことで,従来型と同じ420Nm/2000rpm,169kW(230PS)/ 5000rpm(プレミアムガソリン使用時は434Nm/ 2500rpm,186kW(253PS)/5000rpm)を達成した(Fig. 4)。またコンパクト化に伴うコンプレッサ後の吸気系容積を大幅に低減したことにより,従来仕様に対して1500rpm全開加速の過渡レスポンス性能において初期の応答性は継承しつつ,Boost上昇時間を30%短縮した。その結果,発進時の力強さと実用域でのリニアで軽快な反応,そして高速域までの伸びやかな加速により一層磨きをかけている(Fig. 5)。Fig. 4 Engine PerformanceFig. 5 Transient Response Performance4.2 熱効率改善 新SKYACTIVG 2.5Tでは,従来仕様から熱効率を改善するため,①比熱比の上昇を目的にEGR導入領域の拡大,②ポンピング損失を改善するため排気SVTの作動角拡大,エゼクタバルブ開度セット最適化を行った。結果,熱効率を改善することができ,ユニットとして実用領域の燃費を改善した(Fig. 6)。Fig. 6 Fuel Consumption Characteristic5. エンジン性能とコンパクト化の両立5.1 高効率マニホールド内蔵型水冷インタークーラー 過渡レスポンス性能と冷却性能の両立を図るために,水冷インタークーラーを採用した。また搭載性を考慮して,スタンドアロン型ではなく,マニホールド内蔵型を選定した(Fig. 7)。マニホールド内蔵型は搭載性に優れている一方で背反もある。コアの周囲に隙間ができるため,一部の高温ガスがコアを通らず下流への吹抜け(バイパス)が生じ,インタークーラーの冷却性能を十分に発揮できない。今回,マニホールド内蔵型の小型水冷インタークーラーに工夫を取り入れ,高効率で最大限活用しきることを検討した。具体的に,(1)バイパス量最小化,(2)コアへのガス当たり性最適化を行った。Fig. 7 Intercooler with Intake Manifold Integrated4. パフォーマンスMax. Torque420Nm@2000rpm(Regular)434Nm@2500rpm(Premium)NewSKYACTIV-G2.5T

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