マツダ技報 2020 No.37
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AinΣi=1γγ=−Ci:セル“i”における既燃ガス濃度C:対象断面における平均既燃ガス濃度Ai:セル“i”の流れエリアAtot:対象断面の総流れエリアi:対象断面のセル番号(3)⋅ 12)−(CCi⋅⋅2CA CX30やMAZDA3など 新世代Cセグメント車に搭載可能とし,新たに改良を加えた2.5Lガソリンターボエンジン「SKYACTIVG 2.5T」の技術紹介を行った。このエンジンにより,実用領域での熱効率を改善し,高い動力性能により意のままの力強い走りを幅広いお客様に提供できるようになった。引き続き,人馬一体を支えるパワートレインを提供し続けることで,「走る歓び」を通じて,地球・社会・人の課題解決を目指し,お客様との絆を深めていきたい。(1) 本橋ほか:サステイナブル“Zoom-Zoom”宣言2030, マツダ技報,No.35, pp.3-8(2018)(2) 室谷ほか:新型ガソリンターボエンジンSKYACTIVG 2.5Tの開発,マツダ技報,No.33, pp.16-22(2016)(3) 西尾ほか:新型2.5Lターボチャージャーエンジン制御技術の紹介,マツダ技報,No.33, pp.23-27(2016)―17―totEGR率に差が生ずると,発生負荷や燃焼安定性の気筒間差につながり,トルク低下や燃費悪化を招く。このため全気筒のEGR率が同等となる様に,吸気系を設計した。 今回,EGR分配性の最適化にあたり,サージタンク直前のEGR混合状態に着目した。本箇所でEGRと空気が十分に混ざっていれば,各気筒へ吸入される外部EGR率は一定となり,EGR分配性能は高まる。3次元CFDにてサージタンク直前部での濃度分布を確認し,式(3)で示すγ値を高めるように形状検討を進めた。このγ値はEGRと空気の混合状態を表す指標であり,γ 値が高いほど混合が進んだ状態を表す。(完全混合状態:γ=1.0)Fig. 17 Intake ManifoldFig. 18 Flow Field Involving Second FlowFig. 19 EGR Flow and EGR Ratio at Intake Manifold Fig. 20 EGR Ratio at Each Cylinder(Engine Test)Neck6. おわりに ねらいとする混合状態を達成すべく,①吸気管内にEGRを均等に導入し,②空気とEGRがミキシングしやすい環境を整えた(Fig. 17)。 前者に関して,マニホールドネック部に左右均等に外部EGRを入れることで,EGR導入時の拡散機能を強化した。後者に関して,EGR導入部直前の吸気経路にベンド構造を設け,2次流れによる混合促進を行った(Fig. 18)。 これら対応により,サージタンク直前部での大幅な γ 値改善が机上で見られ(Fig. 19),実機でも現行エンジン同等以上のEGR分配性能が確認できた(Fig. 20)。参考文献

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