マツダ技報 2020 No.37
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+100+35+40+40+43 (1)SUV化したCX30は,幅広いシーンで使いやすい荷室容量と開口部の広さを設定した(Fig. 7)。 CX30はMAZDA3と車両諸元が異なり,ダイナミクス性能に変化が生じるが,制御因子を用いて同体質性能を実現した。本章では,CX30のダイナミクス性能開発における制御因子の適用について述べる。―29―noitareeccASmart Expand Beam 3.1 主要諸元とダイナミクス性能 CX30とMAZDA3はその商品の特性から下記のような違いがある(※ C.G.: Center of Gravity)。Table 1 Di■erence of Vehicle SpecificationVehicle height (mm)Ground height (mm)Weight (kg)C.G. height (mm)※Tire Diameter (mm)Fig. 9 Disordered Input Force DirectionFig. 5 Torsion Beam Axle(Smart Expand Beam)Fig. 6 Rear Roll Sti■ness CAE Analysis vs. Vehicle’sMAZDA3New CX30GAP14401401360651Fig. 7 Back Door Open AreaFig. 8 Body Torsional Sti■nessBack and ForthUps and Downs15401751400694New TBA,Old CAE modelRoll stiffness of New TBACAE analysis vs. Real value3. CX30のダイナミクス性能開発Improved10%New TBA, NewRealCAE modelStiffnessGap 5%Disordered Input Force directionTimeToUpToBack これらの制御因子に加え,ショックアブソーバーの減衰特性,電動パワーステアリングの制御パラメーター特性,タイヤ空気圧などを検討した。2.5 同体質性能を支える解析技術 CAE解析はヨー運動などの平面運動の分析に加えて,ロール運動とピッチ運動の連成など,バネ上運動の分析を強化した。 このCAE解析は,機構解析ソフトによるシミュレーション技術の強化により実現した。プラットフォーム開発時からCAEモデルの精度向上に取り組み,CX30開発はモデル精度と検証精度を向上させた。その一例として,新たな形状を採用したトーションビーム式リアサスペンションのロール剛性に関する検討を示す。質量の増加を抑え,ねじり剛性の確保とステア方向の金物の剛性を向上させる目的で新規開発したSmart Expand Beam(Fig. 5)は,従来の解析手法では精度良く解析できないことから,新たなモデル化技術が必要であった。プラットフォーム開発時からこの課題に取り組み,MAZDA3開発時のコリレーション活動を経て,CX30開発時は実測との誤差を5%以内に抑えることができ,解析精度を向上させた(Fig. 6)。この技術は後述のバネ上運動の分析精度を向上させた。 荷室開口部が広くなると車体骨格の剛性,特にねじり剛性が低下して,サスペンション入力の伝達ロスや振動エネルギーの減衰機能が低下する(Fig. 8)。 (2)大径タイヤ採用と地上高拡大により,フロントロアアームの傾きが増大する。その結果路面からボディーへ伝達される前後,上下入力の位相が変化し(Fig. 9),バネ上運動が変化する。――l

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