マツダ技報 2020 No.37
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―37―Fig. 13 Gap in Rotation between Front and Rear WheelsFig. 14 Rear Wheel Torque Response4.2 電子制御式多板クラッチユニット AWDユニット内に常に生じる差回転の課題として,引き摺りトルクが発生し,トルクコントロール性と効率低下が懸念される。この解決策として,多板クラッチの最適化や低粘度フルード等を採用。冬季を想定した電子制御式多板クラッチフルード温度0℃付近において,引き摺りトルクを約43%低減し,トルクコントロール性の向上とエネルギー損失の低減に貢献した(Fig. 15)。 更に,ユニット内部に温度センサーを追加,内部温度を直接モニターし,温度変化に対するクラッチの特性変化を制御で補正することで,トルク配分精度の向上を図った(Fig. 16)。Fig. 15 Drag Troque of Electronically Controlled Multi-Plate Clutch UnitFig. 16 Electronically Controllled Multi-Plate Clutch 4.3 パワー・テイク・オフユニット(PTO)/リヤデ 初代CX5以降,マツダではAWDモデルの実用燃費の向上を目的に,PTOとRDUの抵抗低減に継続的に取り組んでいる。新世代 i-ACTIV AWDシステムでは,次の①~③の技術を採用することで,AWDシステムのエネルギー損失を旧型に対して60%低減した(Fig. 19)。①PTOダンパーの採用 新世代 i-ACTIV AWDでは,PTOの動力伝達経路上に,ストッパー付きねじりダンパー(PTOダンパー Fig. 17)を設定し,PTOのねじり剛性を従来比大幅に低減することで,リヤ駆動系のねじり共振周波数を常用域外に離間した。これにより,リヤ駆動系起因のNVH性能の向上及び,リヤ駆動系へのトルク変動入力を大幅に低減でき,幅広い運転状況下においてAWDトルクをより正確に配分することを可能とした。また,正確なトルク配分によりAWDシステムのエネルギー損失も大幅に低減した。Unit Temp. SensorFig. 17 Structure of PTO Damper②PTO/RDUボールタイプのベアリングの採用 ベアリングの構造をテーパーローラータイプからボールタイプに変更することで,回転抵抗を低減した。③RDUオイルの一時預け構造の採用 過剰なオイル供給によるベアリングの攪拌損失の増大を抑制することで,回転抵抗を低減した(Fig. 18)。フ・ユニット(RDU)

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