マツダ技報 2020 No.37
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(1)沢崎ほか:新型デミオ・CX3の小型・軽量4WDシステムの紹介,マツダ技報,No.32, pp.38-41 (2015)(2)梅津ほか:GVectoring Controlの開発,マツダ技報,No.34, pp.99-104 (2017)(3)梅津ほか:GVectoring Control Plusの開発,マツダ技報,No.36, pp.235-240 (2019) 日高 誠二―38― 嶋田 克利 Fig. 18 Results of Oil Flow Analysis by Particle MethodFig. 19 Energy Loss of AWD System4.4 NVH性能の強化 より快適なドライビング環境を実現するため,AWDシステムでも車両静粛性を大幅に向上させている。AWD車両では2WDに対して後輪を駆動させるためのギヤや動力伝達軸が追加され,振動・騒音の発生/伝達源が増加する。そこで新世代 i-ACTIV AWDでは,初期開発段階からAWDシステムの車両振動モデル(Fig. 20)を構築し,構成部品の主要共振モード周波数をコントロールし離間配置することにより,AWDシステムによる振動増幅を抑制するNVHポテンシャルの高い基本骨格を実現。優れたNVH性能に貢献した。Fig. 20 Vibration Analysis AWD Vehicle Model 新世代 i-ACTIV AWDは,統合的な車両運動制御システムの進化によって,従来からもつ舗装路や雪道での直進安定性や操縦安定性の向上のみならず,オフロード等の悪路においても安心・安全な人馬一体性能を提供し,ドライバーの行動範囲をより拡大する。 また,AWDシステムのエネルギー損失を継続的に低減することで環境性能も飛躍的に向上し,マツダの目指すAWDの理想にまた一歩近づいた。■著 者■今村 泰理梅津 大輔 おわりに参考文献

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