マツダ技報 2020 No.37
46/138

―39―For the vehicle reliability evaluation, Mazda has two test methods. The first one is the rig test using vehicle body or chassis part. The second one is the driving test using the actual vehicle. Both tests take important roles to evaluate vehicle durability and reliability.The driving test has been conducted by test-drivers who drive the test vehicle by day and night shifts, and there are some problems to be solved, which include prevention of judgement errors by the driver, improvement of labor environment, and shortening of evaluation period. We developed a rough-road durability test method using the autonomous driving device which can be the e■ective solution for these problems and verified it. This paper shows some application cases and the future prospects of the autonomous driving device.Vehicle Testing & Research Dept.Seiji TanabeAkifumi YamahiroMikihiro MiyamotoNoboru YamagamiSeiji MorimotoHarumi KamimuraKey words: Common Infrastructure, Durability Test, Test/Evaluation1. はじめに2. 自動車の信頼性試験Application of Autonomous Driving Device to Rough Road Durability Test論文・解説07コースで適用が可能な実験技術・手法を確立した。この技術で路面からの入力負荷に対する不具合の再現性を維持するとともに労務環境改善と開発効率の向上を実現している。 自動車は多数のシステムや部品点数で構成されるため信頼性を確保するために,部品単品やシステム単位のリグ試験実車を使った走行試験を実施している。 Fig. 1のように部品単体のリグ試験では,部品固有の信頼性を評価する。次にシステム単位のリグ試験では,部品単体で評価できない部品間の締結や摺動に関わる部分を評価する。更に実車を使った走行試験では,実際に 自動車はシャシー,車体,内外装など多くのコンポーネントから構成されている。商品としての自動車の信頼性確保を確認するには,個々の部品の信頼性試験のみでは十分でなくそれらが組みあがった実車(フルビークル)での信頼性確認が必要となる。この試験の実施には,多大なる期間・工数を要している。試験期間を短縮するためこれまでは,路面入力の大きい区間を増やして走行距離を減らす加速化を図ってきた。しかし,路面から受ける入力の増大は,車両を運転しているドライバーに対し大きな身体的な負荷となる。そこで自動運転装置の悪路耐久試験への適用に取り組み,運用面も工夫して既存の*1~6  車両実研部 田邉 政治*1宮本 幹大*2山上 登*3山広 昭文*4森本 誠司*5上村 晴美*6要 約 マツダの車両開発における信頼性評価では,車体やシャシーに代表されるコンポーネントを使ったリグ試験(熱・振動など過酷な条件を模擬した耐久試験)に加え,実車(フルビークル)耐久信頼性試験が重要な役割を担っている。 この耐久信頼性試験は,従来テストドライバーが,耐久車に乗車する形で行われてきた。この業務は,昼夜交代制の勤務でありドライバーの判断ミス防止や労務環境の改善,試験期間の短縮という課題があった。これらの課題に対し有効な打開策となる自動運転装置による悪路耐久試験方法を考案し実用化することができた。本稿では,自動運転装置を適用した事例と今後の展望を紹介する。Summary悪路耐久試験への自動運転装置の適用

元のページ  ../index.html#46

このブックを見る