マツダ技報 2020 No.37
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①Frequency Range②Number of di■erent Frequencies③S.P.L.stnoPnoitauavEi l―47―Sample 2Sample 30 to 500kHz for the reference soundSample 2Sample 3the 1st, 2nd, 3rd, 4th, and 5th harmonics of reference soundSample 5Sample 6the 1st, 2nd, 3rd, 4th, 5th, 6th, 7th, and 8th harmonics of reference soundSample 2Sample 3Each frequency +12dBFeel Bigger Force1point3 45 6Number of Different FrequenciesR=0.8487 8Table 1 Sample Sound for Auditory EvaluationSample 11k to 2kHz for the reference sound500 to 1kHz for the reference soundSample 1the 1st, 2nd, and 3rd harmonics of reference soundthe 1st, 2nd, 3rd, and 4th harmonics of reference soundSample 4the 1st, 2nd, 3rd, 4th, 5th, and 6th harmonics of reference soundthe 1st, 2nd, 3rd, 4th, 5th, 6th, and 7th harmonics of reference soundSample 1Reference soundEach frequency +6dBFig. 3 Relationship between Number of Frequency and How to feel Forceいを1点とする5段階評価で点数を付けた。 ①周波数帯,②聞こえる周波数の数,③音の大きさ,それぞれの音の因子と,力の大きさの感じ方について相関関係を分析した。その結果,①音の周波数帯は低いほどに力を大きく感じる。②聞こえる周波数の数は,多いほど力を大きく感じる。③音の大きさについても,音が大きいほど力を大きく感じるという結果が得られた(Fig. 3)。 次に,①②③の因子を組み合わせたサンプルを用意し,①②③を説明変数(x,y,z)とし,力の大きさの感じ方を目的変数(f)として,重回帰分析を行った。(Table 2)その結果,重決定係数R2=0.835となり,人が音から感じる力の大きさを3つの音の因子の組み合わせにより説明できることが分かった。 ここで得られた回帰式から,力の差を1点分大きく感じさせるためには,①音の周波数帯であれば50Hz低く,②聞こえる周波数の数であれば1つ増やし,③音圧であれば4dB大きくすることで実現できると示すことができた。3.3 時間遅れに関する検証結果 トルク変化を音で,遅れなくドライバーへ届けるため,音の変化量とタイミングを変化させ,その感じ方について検討を行った。評価は社内のエキスパートドライバー5名にて実施した。 過去の検討結果から,トルクが変化し始める時間を起点とし,そこから1秒以上あとに,音の変化を感じると遅れて感じてしまい,次の操作へ活かすことができないことが分かっている。 そのため今回は,音圧をエキスパートドライバーが変化を感じ取れるレベルの2dBと固定し,この音圧差が発生するタイミングを1秒から早期化していくことで,評価を行った。 まず0.8秒で2dBの変化から評価を行ったが,全てのドライバーがトルク発生に対し,音が遅れてついてくるように感じ,タイミングとして遅すぎる結果となった。そのためタイミングを徐々に早期化して評価を行い,0.4秒で2dB以上の音圧変化を与えることで,音が遅れなく変化しているように感じ取れることがわかった。微細な変化を感じ取れることのできるエキスパートドライバーが許容できることから,お客様含めてほとんどのドライバーが遅れなく感じると考え基準をトルク変化が発生するタイミングから0.4秒と決めた(Fig. 4)。 また,今回の評価車両において,アクセルペダル開度と,トルク発生がほとんど同時である。(Fig. 4)このことから,アクセルペダル操作によって変化するトルク全体に対する応答性を見るために,横軸にねらいのアクセル開度を1とした時の変化率,縦軸にねらいのアクセルペダル開度に到達した際の音の大きさを1とした時の変化率をとり,その分布を描く指標化を行った。この指標にてアクセルペダル操作に対して,音が遅れている状態だと下にふくらむ分布となり,早すぎる場合には上に膨らむ分布となる。ねらいである遅れなく感じる状態とするには,線形に分布した状態を目指せばよいことが分かった(Fig. 5)。

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