―63―*1~3 車体技術部 2.1 車体ラインの概要 マツダの車両工場は,1台単位で生産する順序を決め,計画とおりに生産する多車種の計画順序生産である。車体工場は,鉄板部品を成型するプレス工場とボディーの塗装をする塗装工場の間にある。プレス工場及び社外部品メーカーで生産された約300点の鉄板部品を,主にスポット溶接で3,500~4,000点接合しボディーを組み立て,後工程である塗装工場へ送る(Fig. 1)。Body Production Engineering Dept. has been tackling to establish the global production/supply system. This vacant lot of Ujina Body shop B2 line. This article introduces the concept, function, results, and challenges of this new line.Body Production Engineering Dept.Yuichi AriizumiShinjiro KoikeSeiya KurahashiKey words:Production・manufacture, Continuous production, Module, Total cost, Flexible Module LineFig. 1 Body Shop1.はじめに2.車体生産Evolution of Flexible Body Production System論文・解説11 近年自動車業界を取り巻く環境は100年に1度の劇的な変化を迎えている。この変化は過去に経験のない大きさとスピードである。 マツダの車体組立領域においては,ニーズの多様化や市場環境の急激な変化に柔軟に対応するため,汎用システムの導入による多種変量生産ラインを開発し,各拠点に展開してきた。 しかし,「CASE(Connected, Autonomous, Share, Electric」と呼ばれる新しい領域での技術革新に表れているように,自動車の概念が大きく変わろうとしている。 この動きに対応するためにボディー構造は大きく変わりつつあり,その変化に対応するためマツダの生産ラインを更に進化させることが必要となっている。 本稿では,お客様価値向上のための商品進化を実現し,かつ効率的な生産を実現する次世代ラインFlexible Module Line(以下FML)について紹介する。要 約 マツダ生産技術では,お客様の期待を超える『商品価値の実現』と市場環境の変化に即応可能な『高効率でフレキシブルな生産』を両立させたグローバルな生産・供給体制の構築に取り組んでいる。2019年には宇品車体工場にその第1号となる次世代ラインFlexible Module Line(以下,FML)を立ち上げた。本稿では,この次世代ラインに組み込んだコンセプト,機能,成果について紹介する。Summarycan realize both “Embodying the product value” that Mazda is pursuing and “High e■cient and flexible production system” that can respond the change of market quickly.In 2019, the first Next-generation production line called “FML” (Flexible Module Line) was launched at the 有泉 雄一*1小池 慎二郎*2倉橋 聖矢*3車体フレキシブル生産の進化
元のページ ../index.html#70