マツダ技報 2020 No.37
79/138

―72― ]fgk/mμ[ tnemecapsiDlFig. 11 Relationship between Sti■ness and Tool Length 以上の対策をCXḋ30のフロントバンパー金型製作に織り込んだ結果,単体加工精度のばらつきを50%改善できた(Fig. 12)。Variability  ‐50% 0 Fig. 12 Cavity Machining Result4. 相対位置精度向上の取り組み4.1 相対位置精度向上の技術課題 ねらいの形状クリアランスを実現するために,単体加工精度を活かした相対位置精度保証技術の開発に取り組んだ。前述3章のとおり,単体加工精度のばらつきを削減できたが,機械設備などの誤差によって,数 μmの加工誤差は存在し,また単品部品の積み上げ誤差は存在する。ねらいの形状クリアランスを正確に実現する相対位置精度保証のためには,キャビティ及びコアの機械加工面を正確に把握し,両者を組み合わせた状態から誤差をキャンセルする相対位置補正技術が必要となる。 従来,バンパー金型のキャビティとコアの相対位置は,機械加工後にダイスポッティングプレス機の上下にキャビティとコアをセットし,ガイドポストと称する位置決め基準を介して重ね合わせた状態で確認する。この型合わせでは,機械加工面を接触式3次元測定器で測定し,測定結果から形状クリアランスが適正になるようにガイドポストの位置を調整していた。しかし,従来の接触式3次元測定器による測定は,離散的な点測定であり加工面の連続性が把握できない。そのため,測定結果から金Required Length L=385mm Stiffness Reduction x2.8 Old Type Shrink‐Fit Tool Holder New Type Previous Machining ErrorNew High Stiffness 73% Improvement High Gripping Strength Fig. 13 Digital Relative Position Prediction4.2 高精度面測定技術の開発(2) 機械加工面を連続して測定するために,非接触式3次元測定機を活用した。非接触式3次元測定機の測定手順は,一般的に,①金型にマーカーを貼り付け,②マーカーの空間座標及び位置関係を定義する。次に,③非接触式3次元測定機のデジタルカメラで金型を撮影し,取得した画像データを空間座標に沿って貼り合わせていく,④測定対象物の全体形状を撮影し測定結果を取得する(Fig. 14)。 非接触式3次元測定は,カメラ撮影画像等の情報を介して測定結果を取得するため,撮影時の環境などの外乱により測定精度のばらつきが発生してしまう。機械加工面を高精度にデジタル上で再現させるには,現状に対して測定精度のばらつきを40%改善する必要があった。そこで,キャビティとコアの相対位置を高精度に予測するために,外乱に左右されない測定条件の適正化を行った。Fig. 14 Non-Contact 3D Measurement ProcedureLength from Gauge Line [mm] 型の状態が正確に把握できず,ダイスポッティングプレス機で現物確認と調整を繰り返しながら形状クリアランスを補正していた。 そこで,この問題を解決するために,Fig. 13のように点測定から面測定に変えて金型全体を連続的に把握し,測定結果からねらいの形状クリアランスになるキャビティとコアの相対位置を予測することにし,以下2点の技術を開発した。 ①高精度面測定技術の開発 ②測定結果から相対位置精度を予測するデジタル型合わせ技術の開発

元のページ  ../index.html#79

このブックを見る