クルマづくりの歴史

マツダの名車たち Great Cars of MAZDA

ファミリア編(2):時代と共に進化する

 オイルショックによる不況が終わり、景気も好転しはじめた1977年、4代目ファミリアが誕生する。採用された2ボックスのハッチバックは、当時のヨーロッパの小型車市場では主流。若者をターゲットに、新しい感覚、多用途性、経済性、高品質の4つのテーマを元に開発されたスタイルは、その後のファミリアにも継承されている。
映画「幸福の黄色いハンカチ」のなかで、花田欽也こと武田鉄也さんが運転していたのが真っ赤な5ドアファミリアだった。このDNAは、次期ファミリアで爆発的な人気を呼ぶ“赤のXG”へと継承されることになる。


「幸福の黄色いハンカチ」に登場したハッチバック

 本格的なファミリーカーとして1963年に登場したファミリアは、1967年に初めてのフルモデルチェンジを迎え、「オーバルシェイプ」と呼ばれる丸みを生かしたモダンなデザインに一新された。68年にはコスモスポーツに続くロータリーエンジン車ファミリアロータリークーペが誕生。丸いテールランプが特徴で、排気量491cc×2の10A型REを搭載、100psで最高速度は180km/h。0~400mの加速は16.4秒と並はずれた性能を有した。その走りは同クラスのクルマでトップクラス。独特のかん高いエキゾーストノートを響かせ、69年のシンガポール・グランプリ優勝をはじめ、ベルギー、ドイツ、イギリス、南アフリカのサーキットを駆け抜けた。
 1973年、第1次オイルショックが勃発。排ガス規制問題、安全規制への社会的要請も高まりつつあった。そんな厳しい状況のなか、3代目ファミリアが登場。居住性、操作性を中心に機能を向上させ、76年には希薄燃焼とマツダ独自の酸化触媒を採用。ファミリアの実質的な価値と評判を高めたモデルであった。

2代目ファミリア

2代目ファミリア