クルマづくりの歴史

マツダの名車たち Great Cars of MAZDA

サバンナRX-7編(2):(2代目~3代目)

「スタイル」「走り」そして「快適性」。ニューアダルトスポーツ宣言!

初代誕生から7年。1985年10月にサバンナRX-7はモデルチェンジを行い、2代目(FC型)が登場。 「理想のスポーツカーとは、それを思う人の心の中にある。自由な感性を持つ大人のためのスポーツカーをつくろう」 と、ポルシェを凌駕するクルマを目指した。モノの充足だけでなく、心の豊かさを求める当時の風潮から、スタイルや 走りに加え、快適性も重視した大人のスポーツカーとなった。
 デザインは流麗かつダイナミックでありながら、車格感と品質感を向上。エンジンは空冷インタークーラー付 ツインスクロールターボチャージャー搭載の13B型へと進化し、低速域から高速域にいたるまでの抜群の走行フィール を提供した。旋回時の回頭性と安全性にこだわった独立式のリアサスペンションは、厳しいと定評のある西ドイツ の特許審査もクリア。「世界に誇りうるマツダの新しい足ができた」と評された。


スポーツカーの原点に回帰。
ロータリーエンジン・ベスト・ピュア・スポーツカー

 1991年に登場した3代目(FD型)は、5チャンネル体制の販売店名を冠しアンフィニRX-7と名付けられた。 2代目を超えるべく、開発陣が目指したのはスポーツカーの原点回帰。動力性能の飛躍的向上に加え、徹底的な軽量化を目指す 「ゼロ作戦」を展開。各担当者がアイディアをボードに貼り出し多くの知恵を結集。100kg以上もの軽量化を実現した。
 デザインは"Beauty In The Beast(野獣の肢体の美しさ)"をコンセプトに、グラマラスなフロントフェンダーを採用。 ボディサイズは安定した走りを追求すべく、全長・全高・ホイールベースをコンパクト化しながら全幅をワイド化した。 パワートレインは18kgの軽量化を図りながら、ル・マンで培ったノウハウを駆使して50馬力ものパワーアップを実現。 こうした不断の努力の結果、パワーウェイトレイシオ5kg/ps以下というハイレベルな目標を見事に達成。 アンフィニRX-7は第1回RJCニューカー・オブ・ザ・イヤーを受賞した。

 RX-7は3代にわたり、スポーツカーとして確固たる地位を築いた。発売後も理想追求の手を緩めず、常に性能向上を 図り続ける姿勢は、RX-7の誇るべき伝統であり、北米IMSAシリーズ通算100勝という前人未到の記録もその輝かしい 足跡のひとつ。 排ガス規制強化に伴い2002年に生産が中止されたが、現在でもモータースポーツフィールドに数多くその姿を留めており、 復活を熱望する声は絶えない。