クルマづくりの歴史

マツダの名車たち Great Cars of MAZDA

頑強、小回り、パワフルに登場 4輪トラック編:ロンパーからBT50まで

 戦後の復興に大きく貢献してきた3輪トラックは、1953年にトラック総生産台数の72%を占めてピークに達したのち、その地位を小型4輪トラックに譲り始めた。当時、日本経済は高度成長期に移行しつつあり、より快適な4輪トラックの需要が急速に高まっていったのである。1950年から小型4輪トラックを生産していたマツダはこの機を逃さず、1958年4月にキャブオーバー型の新型4輪トラック「ロンパー」をデビューさせた。酷使に耐える頑丈さや優れた小回り性など、3輪トラックで培った技術をフルに投入し、32.5馬力の空冷2気筒エンジンを搭載した1トン積みモデルだ。翌1959年3月には、先進的な水冷4気筒OHVエンジン搭載のD1100(1トン積み・46馬力)とD1500(1.75トン積み・60馬力)を発売。1トン積みで46馬力というクラス最強のパワーも注目の的となり、前年に約4%だったシェアが、この1959年には約10%に倍増した。

名車の系譜。E2000、タイタン、BT-50

 D1100とD1500はマツダのトラック部門を代表する車種として成長し、1962年4月には、1トン積み・60馬力となった新型D1500と、81馬力の新開発エンジンを搭載した2トン積みのD2000が誕生。そして1964年1月、D2000に寄せられたユーザーの声を余さず織り込み、極めて頑強で2トンクラス最大級の積載能力を誇る名車、E2000へと進化した。このモデルこそ、のちに頑強さで人気を誇ることになるタイタンの前身である。一方、マツダ初のピックアップトラックB1500は1961年8月に登場。1965年10月にプロシードへと発展し、国内ではやがてその役目を終えたが、海外ではマツダのBシリーズが揺るぎない地位を確立していることはご承知の通りである。それを象徴するのが、2006年バンコク国際モーターショーに出品され、好調なスタートを切った直噴ターボディーゼル搭載の新型ピックアップトラックBT-50。2007年にはタイランド・カー・オブ・ザ・イヤーの1カテゴリーである「2500ccベスト・ハイリフト・ピックアップ・トラック」賞を獲得した。

タイタン 2代目

タイタン 2代目

BT-50

BT-50


4輪トラック歴史年表