クルマづくりの歴史

マツダの名車たち Great Cars of MAZDA

小型バス編:ライトバスからパークウェイ26まで

マツダ、マイクロバス事業に進出

 マツダが初めてバスを発売したのは1960年2月。防衛庁向けに、セミキャブオーバー型の小型四輪トラックD1500をベースにした13人乗りのバスが作られた。シートを折り畳むと患者輸送用にも使えるという利便性に加え、乗用車並みの快適な乗り心地、そして個性的なデザインを実現。同12月には中近東諸国向けにも輸出が開始され、暖房用ヒーター2個を搭載し、客用ドアは電動、さらには救急車としても使えるように後部ドアは観音開き仕様にした。

 一般ユーザー向けには、1965年5月、25人乗りの「ライトバス・A型」が登場。ドリームカーを思わせる斬新なスタイルは1964年の東京モーターショーで話題を呼んだコンセプトモデルをさらに改良したもので、最高出力81PSの2,000ccガソリンエンジンを搭載。フロントウインドーに曲面安全合わせガラスを大胆にレイアウトするなど、その未来的なスタイルが注目を浴びた。

洋光1960年3月号に掲載された防衛庁向け小型バス

洋光1960年3月号に掲載された防衛庁向け小型バス

1965年に発売したライトバス(左:C型、右:A型)

1965年に発売したライトバス(左:C型、右:A型)


「パークウェイ26」への進化

 より豪華なマイクロバスを求める市場動向に対応し、1972年4月17日、全面的にモデルチェンジした新しいライトバス、「パークウェイ26」が発売された。当時から圧倒的な支持を得ていた「タイタン」をベースに、強靭なサスペンション、パワーのあるエンジン、優れた経済性や信頼性、安全性をさらに追求。クラス最長3,285mmのロングホイールベース、ワイドトレッド、スタビライザーの採用、サスペンションのバネ特性の最適化などを行った。エンジンは、81PSから92PSにパワーアップした2,000ccガソリンと、2,500cc・77PSから2,700cc・81PSに強化したディーゼルをラインアップ。乗用車感覚のモダンなスタイルとしたほか、快適なシートを配した26人乗りの室内では、ラジオや3段切り替えの強力ヒーターを標準装備し、ソフトな天井トリムを採用するなど、広く高級感のある空間を実現した。
さらに1974年7月22日には、ライトバスとして世界で初めて低公害ロータリーエンジン(13B)を搭載した「パークウェイロータリー26」が登場。ロータリーエンジンならではの優れた走行性能、静粛性と同時に、当時の国内の排出ガス規制値を大幅に下回る優れた環境性能を実現した。