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メディア対抗ロードスター4時間耐久レース
第21回メディア対抗ロードスター4時間耐久レース

自動車メディアの編集部員やジャーナリストらが自らハンドルを握り、それぞれの媒体名を掲げたロードスターを駆って争う「メディア対抗ロードスター4時間耐久レース」が9月3日(土)に今年も茨城県の筑波サーキットで開催された。

今回で22回を数え、「4耐」の名前で親しまれるこのレースの面白さは、独自のルールによるものが大きい。全開のままでは完走できない90リットルというガソリン使用量制限にはじまり、完全なるイコールコンディションとなるマシン仕様、プロドライバーの参戦や前年の成績によるハンディキャップなどが毎年このレースにドラマティックな展開をもたらしている。

しかし、今年最も厄介だったのは気まぐれな天候である。例年この「4耐」は残暑厳しい炎天下での開催となるのだか、今年はレース1週間前から台風12号の接近が危ぶまれていた。幸い台風の直撃は避けられたものの、当日は時より急に空が暗くなったかと思うと、大粒の雨がバラバラと落ちてきてコースを濡らしていくという、ドライバー泣かせのコンディションだったのである。

また、今年はマツダのルマン24時間耐久レース総合優勝20周年を記念し、フルレストアを施された「マツダ787B」が往年のマツダ契約ドライバー寺田陽次郎氏の手でデモンストレーション走行を行うなど、決勝レースを前に会場は大いに盛り上がった。

レース序盤

14時過ぎ、いよいよ4時間にわたる決勝レースがスタートした。今年は安全性に配慮して、恒例となっていた旧ルマン式スタートではなく、ローリングスタートが採用された。ポールポジションはNo.74 レブスピード、その後ろに22台の参加マシンが続く。セーフティカーを先頭に1周のフォーメーションラップを行った後、全車一斉に第一コーナーへ飛び込んでいった。

レース序盤をリードしたのは女性ジャーナリスト連盟のNo.03チームピンクパンサー。レース直前に出場が決定した佐藤久実選手がファーストドライバーを務め、予選17位の位置から一気にトップへ躍り出ると、最初のピットインまでトップをキープするというすばらしいドライビングを披露した。

不安定なコンディションの中でのレース

不安定な雲行きの中、スタートして1時間ほど経過した頃、バケツをひっくり返したような強い通り雨が降り、路面がフルウェットになる。この時点での順位は1位No.50 CAR GRAPHIC、2位No.13 ENGINE、3位No.88 carview。その後2時間を前にして、予選トップだったNo.74 REVSPEEDが第2ヘアピン入り口でストップするというアクシデントが発生。これによりイエローフラッグが振られて、このレース最初のセーフティカーが入る。

再スタートし、スタートから2時間を経過した時点での順位は、1位がNo.50 CAR GRAPHICで88周をクリア、そのあとを2位No.13 ENGINE、3位No.111 XaCARと続く。雨があがっても、強い風が最終コーナーから第一コーナーへ吹き抜けていくという依然難しいコンディションである。

レースは波乱の後半戦へ

トップが100周をクリアした時点で残り時間は約1時間40分。この頃から各チームが給油、ドライバー交代などでピットストップを行い、順位がめまぐるしく入れ替わる。比較的路面も乾いてきて、後半戦は燃費との戦いかと思われたが、スタートから3時間を前にして、再び雨が降り始めた。この雨の影響で、ここまで好調をキープしていたNo.03チームピンクパンサーがコースアウトし、再びセーフティカーが入る。この時点での順位はNo.50 CAR GRAPHIC が引き続き1位をキープ、2位はNo.09ホリデーオート、3位No.30ル・ボラン。

再スタートから団子状態で第一コーナーへと突っ込んでいくが、路面がウェットのため各チームブレーキングは慎重である。残り時間が一時間をきった頃、最終コーナーで2台がコースアウト。一台は自力でコースに戻るものの、もう一台は脱出できず、このレース3度目のセーフティカーが入るという波乱の展開になる。

レース終盤、ナイトレースへ

レースも終盤に差し掛かると、あたりは次第に薄暗くなり、残り20分の時点で「Light On」のサインが出された。各チームライトを点灯してここから4耐名物のナイトレースへと突入していく。例年であれば、この時間帯は燃費を気にしながらのレースとなるのだが、今年はレース終盤になっても各チーム積極的にアタックしていく。これは路面状況と度重なるセーフティカーの介入により、各チーム燃料を温存できていたからだ。そのため、残り15分を切ってからの上位争いは熾烈を極めた。

午後18時15分、レース全体を通して大きなトラブルなく安定したレース運びをしたNo.88 carviewがトップでチェッカーフラッグを受け、参戦4年目にして初優勝を飾った。そして1台もガス欠車がなく、出場した全チームの完走によって今年の4耐は幕を閉じた。

3年ぶりの参加!目標の感想を達成

マツダ人馬一体チームインタビュー

3年ぶりに復活したマツダ人馬一体チーム。そのファーストドライバーを務めたロードスター開発担当主査 山本修弘にレース後の感想を聞いた。「人馬一体ロードスターは3年ぶりの参加、社内の精鋭5人で望みました。ドライ、ウェット、イエローフラッグなど難しいコンディションの中で、スピンすることなく、各ドライバーが役割を果たし目標の完走を達成したことは良かったと思います。ビギナーからプロのレーサーまで、それぞれが楽しさを享受できるこの4耐をずっと続け、ロードスターの楽しさの輪をもっともっと広げて行きたいと思います。来年はもっとチームで腕を磨き、上位を目指せるようにしたいですね!!」